薄暗い常緑樹林内に生える葉緑素を持たない菌従属栄養植物(腐生植物・菌寄生植物とも呼ばれる)。落ち葉の中から直立し、葉は持たない。高さは20cm前後で茎頂に淡黄褐色の花を数個つける。地上部全体が濃い黄色(唇弁とずい柱は白色)の品種はキバナウスキムヨウラン(f. lutea)と呼ばれる
本種は
レッドデータブックに登録されており、福岡県では「
絶滅危惧ⅠA類」(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に指定されている。よく似たムヨウランの花との比較は下図を参照してください。
 その他の山で見つけたランの仲間はこちらです。
 参考までにこれまでに見かけたランの花一覧を作成しました。

ラン科ムヨウラン属
学名:Lecanorchis kiusiana

●カバー写真
【撮影日】2020年6月3日@久留米市
20200603-114443

●全体●葉
 名前のごとくは葉はない。
【撮影日】2020年5月23日@久留米市
 慣れないと地面から細い枝が伸びて枯葉がついているようにしか見えない。
20200523-100658

●花
 茎頂に2~8個の花をつける。花柄子房が花序からあまり離れず、やや上向きに咲く。萼片、側花弁ともに長さ11~15mm、淡黄褐色であまり開かず、唇弁は白色地に赤褐色の毛が目立ち、そり返る。ムヨウランに似るが、唇弁の縁に乳頭状突起があること、根が細いことなどで区別できる。(出典:日本のランハンドブック 低地・低山編)

【撮影日】2021年5月18日@久留米市
20210518-141929

【撮影日】2022年5月25日@久留米市
DSC09466

【撮影日】2021年5月18日@久留米市
20210518-124240

【撮影日】2023年5月17日@久留米市
 横向き
DSC06072

 逆さま
DSC06067

【撮影日】2020年5月20日@久留米市
 長さ1.5cm
20200520-114423

【参考】ウスキムヨウラン(左)とムヨウラン(右)の比較
 ムヨウランは高さ40cmほどと大きく、唇弁は赤味を帯びない。
ウスギムヨウランとムヨウラン

●果実
【撮影日】2020年10月19日@久留米市
20201019-121154-001

【撮影日】2021年3月19日@久留米市
 果実が割れ、種子が散布されていた。茶色い粉みたいなものが種子と思われる。
20210319-145135